Shuei通信

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2026.03.27

【秀英アカデミア】動物園が大学のゼミに。東邦大学・井上先生と挑む「動物園de行動学」

 3月26日、千葉市動物公園にて東邦大学の井上英治先生をお招きし、「動物園de行動学」を実施しました。雨天にもかかわらず、中1から高2まで28名の生徒が参加。事後アンケートでは8割以上が「また参加したい」と回答する、大盛況の一日となりました。
 実習の核となるのは、「個体追跡サンプリング」の体験です。生徒たちは、20分間にわたり特定の個体を追跡し、1分ごとに「採食・移動・休息」などの行動カテゴリー、地上や樹上といった「位置」、そして姿勢を厳密に記録し続けました。
 観察対象は多岐にわたり、ニシゴリラ、チンパンジー、マンドリル、ブラッザグエノン、ジェフロイクモザル、シロクロエリマキキツネザル、ワオキツネザル、コモンマーモセット、ショウガラゴといった霊長類から、ライオン、レッサーパンダ、キンカジュー、アカハナグマ、ナマケモノ、アフリカヘラサギ、オーストラリアガマグチヨタカまで、計17種に及びました。生徒たちは一瞬も目を離さず個体と向き合いました。
 午後は収集した膨大なデータをExcelで可視化し、1時間に及ぶ「研究協議」を実施しました。井上先生は、全グループのグラフを丁寧に読み解き、生徒と対話を重ねてくださいました。例えば、ライオンを観察したグループが「同じ場所を往復し、壁に頭を打ち付けていた」と報告すると、先生からは「本来広い行動圏を持つ動物が限られた環境下で示す『常動行動』の一つである」との解説がありました。さらに「屠体(「とたい」=野生鳥獣の肉)」を給餌し野生に近い刺激を与えることで常動行動を抑制するという東邦大学の院生の方による研究成果も紹介され、動物福祉の最前線に触れる貴重な機会となりました。
 生徒からは「15分見続けることで初めてわかることがあった」「定義の厳密さが科学には不可欠だと知った」といった声が上がり、観察の奥深さを実感したようです。教科書を飛び出し、本物の研究者と対話する。「秀英アカデミア」が、生徒たちの知的好奇心に火をつけた一日となりました。
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