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卒業証書授与式

2018/3/3

3月2日、高等学校の卒業証書授与式が行われました。高校3年生は今日で卒業です。

しばしば言われるように、現代社会はグローバル化や情報技術の進展により、これまでになく先の見通せなくなってきています。そんな社会に旅立ってゆくにあたり、目標に対して強い信念を持ち、思考力を鍛えて主体的に学び、感性を豊かにするという、三つの点を特に実践してください。

この三年間で様々な思い出ができたことでしょう。秀英で学んだことを生かして、人の話に耳を傾けながらも新しいものを創り出し、力強く生きていってもらいたいと思います。前途ある若者たちの活躍を期待しています。

 

学校長の祝辞と、昭和学院理事長の祝辞をあわせて掲載いたします。

学校長式辞

 大地が暖まり冬眠をしていた虫が這い出てくるという啓蟄を間近に控え、梅の花の凜とした姿と漂う香りに、春の息吹を感じる季節となりました。この春の佳き日に昭和学院秀英高等学校第三十三回卒業証書授与式を挙行いたしますことは、本校教職員一同にとりまして、この上ない喜びとするところであります。あわせて、昭和学院理事長山本徹様にご臨席いただくとともに、奨学会会長種池聡子様、前校長山崎一男様ほか多くのご来賓の皆様に卒業生の門出を祝福していただきますことに、厚く御礼申し上げます。
 ただいま卒業証書を授与された三百三名の皆さん、卒業おめでとうございます。そして保護者の皆様方、まことにおめでとうございます。
 卒業生の皆さんは三年前、新入生として大きな夢と希望を胸に本校に入学されてきたことと思います。入学して早々に、授業内容の深さや速さに驚き、また、同級生たちの溢れる才能を見て、あらためて、しっかり努力をしなければならない学校だと感じた者も多かったことと思います。二年・三年と進むにつれ、それはますます加速して、授業を大切にする本校の特徴が思いだされることでしょう。教室での内容の濃い学習のほか、様々な講師をお招きした文化講演会や福祉講演会、みなさんの主体的な活動によるスピーチコンテストなど、幅広い学習に取り組みました。
 本校の文化祭・雄飛祭については、各クラスで自主的な取組みを行い、渾身の演劇などを披露して、見に来ていただいたたくさんの見学者に喜んでいただきました。体育祭では、準備の期間が短い中でもしっかりと練習して、楽しみながらも熱い戦いの姿を見せてくれました。長崎を訪れた修学旅行では、行く前からしっかりとその土地の歴史や特徴、見所などを分担して調査し、共有して臨みました。ことに原爆投下の悲惨さをあらためて心に刻んできた旅行でした。
 部活動にも多くの生徒が加入して、活発に活動していました。県の代表として全国大会や関東大会に出場したものだけでなく、最後の試合で悔し涙にくれたことも貴重な経験となりました。文化系の部活動でも、特技を伸ばす努力とともに、人間関係のスキルを身につけてきました。
 皆さんが手にした卒業証書には、本校での三年間の思い出、楽しかったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、努力したこと、挫折したこと、そして、達成してきたこと、すべてが凝縮されています。思い出と一緒に大切にしてください。
 また、今日のこの日を迎えることができたのは、自らの努力だけではなく、御家族の深い愛情と 支えがあり、友達や先生方の温かい励ましがあったことも忘れてはなりません。
 さて、皆さんを取り巻く社会情勢はというと、グローバル化と情報化が大きな潮流になっています。グローバルな時代は人や物が国境を越えて行き交い、経済も国境を越え、巨大資本が国のコントロールを離れて独自に動いています。様々な課題も国境を越えてやってきます。海外では紛争とテロが途絶えませんが、日本も決して安心できる状況ではありません。国内でも、理不尽で痛ましい事件の報道が絶えません。また、世界では人口増加に伴う資源の確保が課題なのに対して、日本では少子高齢化による労働者人口の減少と経済規模の縮小が大きな課題です。一方で、人工知能AIの急速な発達がそれほど遠くない将来、私たちの社会を大きく変える可能性があります。皆さんの将来には、様々な課題が混然となって待ち構えています。十年二十年先のことどころか、一年後のことさえも見通しがつきません。このような先の見えない時代にあって、皆さんには、明るい未来を切り拓いていく原動力になっていって欲しい、という大きな期待が寄せられています。
 そのために、あらためて思い出して欲しいことがあります。それは秀英の校訓である「明朗謙虚」「勤勉向上」の二つの言葉です。明るく健康的な生活に務め、自己形成のために他の人の立場を尊び、意見に耳を傾ける。より優れた自己を目指し、新しい可能性を創造していく。
 時代が進み、価値観が多様化しても次の世代を担う若者に望まれる基本的な資質、普遍的な目標として「明朗謙虚・勤勉向上」という校訓は、理想として掲げるのにふさわしい言葉だと思います。もう一度、かみしめてみてください。
 次に、皆さんにぜひとも実践していただきたいことが三つあります。
 一つ目は目標に対して強い信念を持ち、日々粘り強く取り組む姿勢を持ち続けることです。
 二月に開催されたピョンチャンオリンピックでは、日本は過去最高のメダルを獲得するとともに、数多くのドラマが展開されました。フィギュアスケート・スピードスケート・ジャンプ・ノルディック複合・スノーボード・フリースタイルスキー・カーリングなど、日本中が感動に涌きました。みな、上を目指すという強い思いと日々の努力の成果に他なりません。
 昨年の十二月には、京都大学数理解析研究所の望月新一教授の論文が世界の数学者から正しいものと認められました。二十年近く単独で研究を行い作り上げた新しい理論ですが、あまりにも難解なために周囲が理解できず、発表から五年もかかりました。その一部が、難問と言われていたABC予想の証明です。
 研究であれスポーツであれ、すべては「こうしたいんだという思い」から出発します。そして、「念願は人格を決定す。継続は力なり。」です。大志を抱き、そして明るくおおらかに努力していただきたいと思います。
 二つ目は、思考力を鍛えることです。そのために、主体的に学ぼうとする態度を持ち続けてください。知識や技術を身につけ、豊かな読書を重ね、先人の話を聞いてしっかりと基礎を固めてください。新しい課題に立ち向かうときに自分なりの考えを持つことと、それを表現する力が必要です。自分で考えることができるということは、周囲の人から評価され信頼されることにつながります。
 三つ目は、感性を豊かにしてください。弱い立場の人や逆境に立たされている人の気持ちが理解でき、やさしくできるようにしてください。周囲の人の気持ちをつかみ感情を共有することも信頼の獲得につながります。「信念・思考力・感性」以上三点を私からの餞の言葉といたします。
 保護者の皆様、あらためてお喜びを申し上げますとともに、今日まで本校にお寄せいただいた御理解と御協力に対しまして深く感謝申し上げます。
 結びに卒業生のみなさん。The sky is the limit.可能性は無限です。皆さん一人ひとりの健康と今後の活躍を期待して式辞といたします。

 

昭和学院理事長 祝辞

 昭和学院秀英高等学校の卒業生の皆さん、ご家族の皆様、ご卒業おめでとうございます。
 卒業生の皆さんは、秀英で多くのものを学び、クラブ活動や学園祭等の学校行事を楽しみ、心身共に立派に成長して卒業し、それぞれの道に進まれます。ご家族の皆様には、卒業生の皆さんの豊かな可能性が花開くよう、親身になって応援し、時に叱咤激励してこられました。多くの友人と親しくなり、めんどうみのいい先生方の指導を受けることが出来ました。卒業に当たってご家族の皆様はじめお世話になった人々にお礼をし、秀英を巣立ってください。
 私は、昨年夏、友人の紹介で、3年前にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生とお話しする機会があり、昨年9月に出版された『ストックホルムへの廻り道』というご著書もいただきました。大村先生に高校生や大学生にどのようなアドバイスがあるでしょうかとお聞きしたところ、三点お話をされました。
 第一に大切なことは、これからの人生に、はっきりとした目標を持ち、それを実現するために日々努力するということです。
 大村先生は、日本一の研究者になり、社会に貢献することを目指して、高校、大学で学び、就職先を選ばれました。結果的には、日本一どころか世界一の研究者になられました。
 先生がこのような人生の目標を定めるに当たってはこんないきさつがありました。
 大村先生は、山梨県韮崎市神山村の農家の長男で、小さいころから、農家の跡継ぎとなって、いずれ村長になる人だといわれていました。大村先生も、そのような将来を描いて、勉強よりは農業の手伝いをし、クラブ活動のスキーに熱中しました。
 しかし、大村先生を高く評価していた女性の中学の習字の先生からこう言われました。「大村君は字がきたないですね。こんな字では、村長になったとき困りますねえ。」尊敬している先生からこう注意されて、習字や国語が苦手な大村先生は、自分が得意な理科系の勉強をシテ、日本一の研究者になろうと思い立ちました。
 第二に大切なことは、人間には1日24時間の時間しか与えられていないので、その時間の中で勉強や研究に成果を上げ、目的を達するためには、集中力をもって取り組む必要があるということです。
 第三は、勉強や仕事の区切りで、うまく気持ちの切り替えを行うことが必要である。例えば、クラブ活動から勉強に取りかかるとき、英語から数学の勉強に取りかかるとき、いつも新鮮なやるぞという気持ちになって取り組むということです。過去のことにとらわれずに、常に前向きにこれからの新しいテーマに挑戦することが重要です。大村先生は、人生の目標を持ち、常に集中力、気持ちの切り替えを大切にされ、勉強や研究の効果を上げられました。
 人間は、勉強や仕事の合間には、気分転換をし、休養することも必要です。大村先生の場合は、それがクラブ活動のスキーでした。
 クラブ活動をやっていてよかったと思うことが3つあるとおっしゃっています。
 一つは苦しい練習や試合の体験があったからこそ、その後の様々な人生の苦難を乗り越えることが出来た。
 第二は、周りに強いライバルがいて、そのライバルとの競争が、向上心をわき立たせ、自分を強くしてくれた。
 第三に、クラブの仲間で協力し、創意工夫をして、自主性をもって行動し、自分たちの技術を高めることを学んだ、ということです。
 先生は、様々な新薬を開発されましたが、特に、50歳の頃、アフリカの盲目になる風土病の予防治療薬の開発に成功され、2億人のアフリカ人を救い、アフリカでは神様のように尊敬されています。ノーベル賞の受賞はそれから30年後のことでした。
 大村先生は北里研究所を中心に研究活動に従事されると共に、全く専門外の経理や経営を猛勉強されて、研究所の経営の改善にも大いに手腕を発揮されました。又、美術鑑賞がお好きで、乞われて女子美術大学の理事長もおつとめになりました。
 皆さんのこれからの人生は、豊かな個性を生かせるすばらしい進路が待っています。秀英で学んだことに誇りと自信を持ち、自分の高い人生の目標の実現に向かって、誰にも負けない努力をしていただきたいと思います。
 これから、人工知能やIoTの実用化による第4次産業改革が本格化し、国際化や少子高齢化も進みます。このような時代の激動期をしっかり見つめ、大学でよく学び、本を読み、専門家の話を聞き、ご家族や友人とも相談しながら、自分の進路を考え、進んでください。
 これからも、秀英は、皆さんの成長を応援し、見守って参ります。いつでもふるさとの秀英に帰ってきてください。喜んで皆さんのご相談にのります。
 ご家族の皆様には、これまで秀英の教育方針によくご協力いただき、心よりお礼申し上げます。秀英は、これからもさらに教育力を高め、皆様のご期待に応えてまいりますので、ご指導、ご鞭撻を賜れば幸いです。
 卒業生の皆さんとご家族の皆様、ご出席の皆様方のご多幸を心よりお祈り申し上げまして、お祝いの言葉と致します。

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