秀英便り
今週末には関東も梅雨入りするのでないかと思われますが、雨の中にひと際映えるアジサイの花は心を癒してくれます。
5月、6月は千葉県高等学校総合体育大会が開催されています。多くの高校3年生にとっては、これが部活動最後の大会となります。ここまでやってきた成果が存分に発揮できるように、奮闘を心から祈っています。ただ、「ここまで頑張ってきた成果」はこれから発揮されると言ってもよいでしょう。仲間と支え合って頑張り続けた経験は尊いものです。それは、部活動に限らず、学校生活でやり遂げたいろいろなことに通じる部分があります。
歌舞伎鑑賞・能楽鑑賞
本校では、4月に実施する全校対象の芸術鑑賞教室の他に、中学3年生では歌舞伎鑑賞教室、高校2年生では能楽鑑賞教室を実施し、日本の伝統文化に直接触れる機会を設けています。
今年も6月4日(火)に歌舞伎鑑賞教室を実施しました。歌舞伎の大がかりな舞台とともに歌舞伎の迫力を実感し、現在も衰えない歌舞伎の人気を理解できたことでしょう。さらに、18日(火)には、高校2年生が国立能楽堂で能楽を鑑賞しました。洗練された幽玄の世界に浸ったことでしょう。秀英では、教養教育の一環として、このような質の高い文化に触れる機会を大切にしています。
スポーツ大会
梅雨に入る直前の20日(木)、高校ではスポーツ大会が実施されました。クラス対抗の球技種目がメインですが、グラウンド、第1体育館、第2体育館を使い、大いに盛り上がっていました。どのクラスも応援に熱が入り、見ている方も楽しませてもらいました。
“秀英”探究プロジェクト
今年度、新たに始めたプロジェクトです。
このプロジェクトについては、4月に生徒の雄飛祭実行委員に提案し、実行委員会から発信してもらいました。グループでの探究活動を後押しするためのもので、自分達で探究したい課題を見つけ調べていこうというグループに、探究のための費用として最大10万円まで資金を出すというものです。希望するグループは探究活動の企画書を雄飛祭実行委員会に提出、必要な場合はプレゼンなどをしてもらいます。それを受けて、校長が選んだいくつかのグループに資金を提供するというものです。選ばれたグループは、雄飛祭でその成果や途中経過を発表することになっています。また、グループには必ず高校生が含まれるということも条件となります。
私は、探究とは結果が失敗に終わっても構わないと考えています。わからないことや難しいことを面白いと思って探究する、こういう姿勢をどんどん伸ばしたいと思っています。「難しいことに挑戦する」姿勢こそ、「秀英の骨太な資質」として定着していってほしいと考えています。今年は最初の年で企画書提出までの期間が短かったこともあり、どんな形になるか少し心配でしたが、今年の応募もすでにきています。知的な好奇心をもって挑戦しようという姿勢が、先輩から後輩に受け継がれていくことを期待しています。
さて、9月の14日、15日は秀英最大の行事である雄飛祭が開催されます。雄飛祭実行委員会のメンバーは1年近く前から準備を始め、日々頑張ってやってくれています。私は4月に雄飛祭実行委員長や事務局長など事務局のメインの生徒とさらに生徒会長を加えて話す機会を持ちました。「自分たちの文化祭」を創っていこうという意気込みと熱量は想像以上でした。同時に、生徒同士で客観的な意見を交わす姿を見て、生徒の精神的な成長を実感しました。これから当日に向けて、実行委員の頑張りに応えるように中学生も高校生も「自分たちの雄飛祭」を創っていくために準備を本格化させていくことでしょう。
6月29日(土)は、アントレプレナーシップの講座を初めて開きます。海外短期研修の事前学習を兼ねますが、中学生高校生だれでも参加は可能です。面白そうだなと思ったら、参加してみてください。
今年度は今まで以上に生徒のさまざまな挑戦を後押ししていこうと1学期やってきました。1学期も終わりに近づき、生徒達の動きが見えてきて、嬉しい限りです。
例えば、ディベート甲子園では初日の6月16日の大会で高校生チームが好成績を収め、7月の大会で全国出場を狙います。数学・化学・生物・情報オリンピックには高校生が準備を進めていますし、科学の甲子園は中学生が出場する予定です。また、模擬国連大会にも今年は高校2年生が出場する予定です。さらに、千葉大学主催の国際研究発表に高校2年生が英語で研究発表しますし、アセントプログラムに参加していた高校3年生も研究成果を英語で発表します。トビタテ留学JAPANの選考に合格し、この夏フィリピンに留学する高校2年生もいます。
だれもが「大変だろうな」とか「失敗したら」と不安に思いますし、このような活動には知識も必要です。だからこそ、挑戦する価値があります。探究活動というのは、知識の蓄積と探究への意欲がループのように関連しながら、生徒達を成長させるのだと考えます。
この夏の秀英生の挑戦が楽しみです。
昭和学院秀英中学校・高等学校
校長 田中尚子