秀英便り
本日、2学期の終業式を終えました。充実した2学期だったと思います。終業式の表彰生徒の多さにもそれが表れていました。
部活動の大会での表彰に加え、部活動以外での生徒個人の成果も充実したものになりました。
「青少年読書感想文千葉県コンクール」では、高校2年の竹見ねねさんが最優秀賞に選ばれました。また、「いっしょに読もう!新聞コンクール」では、中学1年の中谷和佳菜さんが優秀賞に選ばれ、松本綾音さんが激励賞に選ばれました。
理系分野でも活躍しました。「化学グランプリ2023」では高校3年の橋本直輝さんが見事、全国で銅賞となりました。また、「科学の甲子園千葉県大会」では5位となりました。数学オリンピックや情報オリンピックは現在開催中で、結果が期待できます。昨年同様、千葉大学のアセンプログラムに選ばれ、探求している生徒もいます。
生徒自らがチャレンジしていることが、結果として表れてきています。すばらしいことです。
中学校探求学習発表会
12月20日(水)、体育館で中学校の探求学習発表会を実施しました。中1、2、3の各学年の探求学習発表会をまず実施し、この日は、各学年で選ばれた代表チーム6チームが中学校全体で発表しました。
本校の中学校の探求学習では、中学1年がSDGsについての探求をし、中学2年ではソーシャルチェンジという課題に取り組み、社会への関心を深めていきます。さらに、中3では、コーポレートアクセスというプログラムに挑戦し、これからの社会への考察の育成とキャリア教育という視点から探求学習を行っています。
まず、どのチームも堂々とした発表で感心しました。さらに、その課題についての問題点と解決策をチームで考え抜いたことがよく伝わってきました。プレゼンテーションも工夫が凝らされていて、これからの社会をしっかりと見据えていける視点を養っていっていると確信しました。昨年からこういう形で合同発表会を実施していますが、上級生の発表から下級生が学んでいくことも大きな収穫となるでしょう。
2学期終業式の式辞から
2023年、昭和学院秀英は、40歳になりました。
40周年記念講演会ではノーベル化学賞受賞者の野依良治先生に講演していただきました。日本の歴史の中で28人しかいないノーベル賞受賞者から直接お話を伺ったという経験はきっと忘れないでしょう。今日、野依先生の講演の中から1つだけ皆さんに繰り返すとすれば、次の言葉です。
20世紀は戦争や経済に象徴される競争の時代であった。21世紀は限られた地球の枠組みの中で、協調や連帯を模索して生きる時代である、と。
21世紀を創っていくのは皆さんです。どうか、野依先生からの君達へのメッセージを覚えおいてください。
さて、この4月から私はこういう場で皆さんにいくつかのメッセージを引用して話しました。
アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏のアメリカのプリンストン大学での式辞から「I took the less safe path to follow my passion」という言葉を紹介しました。また、「夢は探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできない・・・何かに失敗するリスクより難しい挑戦に踏み込まないで、成長できず、なりたい自分になれないリスク、現状に留まることのリスクを考えるべきだ」という馬淵俊介氏の東大入学式での言葉も引用しました。
大学の入学式や卒業式で述べられたメッセージが多いのは、やはりこれからを生きる人達への心からの言葉が述べられるからでしょう。
そして、たぶん、入学式や卒業式で述べられた世界で最も有名な式辞はスティーブ・ジョブズ氏が2005年にアメリカのスタンフォード大学の卒業式で行った式辞だと思います。
アップルの創業者のスティーブ・ジョブズ氏の式辞は、
「Stay Hungry, Stay foolish.」(ハングリーであれ、愚か者であれ)という有名なフレーズで締め括られました。
ただ、私が今日皆さんに伝えたいのはでこのフレーズではなく、スピーチの後半で述べられた別のフレーズです。人間の人生は限りあるものだと述べた中で、スティーブ・ジョブズ氏は次の言葉を言います
And most important , have the courage to follow your heart and intuition.
なぜこのフレーズが私の心に残ったかというと、スティーブ・ジョブズ氏が「最も重要なこと」は「心と直観に従うこと」とは言わずに、彼が「最も重要なのはあなたの心と直観に従う勇気だ」と言ったからです。私はこのフレーズを読んだとき、彼が乗り越えてきた苦難を想像しました。
自分の心と直観にしたがって、自分のやりたいことを頑張るためには「勇気」が必要なのですね。「勇気」というのは、正しいことをやるときにしか使いません。正しいことをやり通すときには、困難を克服したり、時には孤独に耐えなければいけないことがある。だから、人はそれが正しいと思ってもなかなか踏み出せないし、諦めてしまう。そのために「have the courage」と言ったんですね。
高校3年生の皆さんは、いよいよ大学入試に入っていきます。
スティーブ・ジョブズ氏はこう続けます。
They somehow already know what you truly want to become. (何より大切なことは、自分の心と直観に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直観は、自分が本当は何をしたいかもう知っているはず。)
君達が自分で選択した道は正しいのです。その正しいと決めた進路に向かって勇気を持って突き進んでください。さらに、このメッセージはEverything else is secondary.(ほかのことは二の次で構わない)という言葉で終わります。勇気を持って、迷うことなく突き進んでください。自分のやりたいことだけを考えて、勇気をもって。なぜなら、その他のことは考えるに足りないものだからです。私達は高校3年生の皆さんの勇気を支えていきます。
では、ここにいる皆さんが、来年も勇気をもってさまざまなことに挑戦していってくれることを期待しています。皆さん、良いお年をお迎えください。
校長代行
田中尚子