創立40周年記念講演会
11月27日(月)は、創立40周年記念講演会を実施し、2001年にノーベル化学賞を受賞されました野依良治先生にご講演いただきました。
野依良治先生は、京都大学大学院研究科修士課程終了後、名古屋大学助教授、ハーバード大学博士研究員を経て、名古屋大学教授、理学研究科長、特別教授のほかに、理化学研究所理事長、科学技術振興機構・研究開発戦略センター長や科学技術館館長、また日本化学会会長、科学技術・学術審議会会長、教育再生会議座長などを歴任されております。また、ノーベル化学賞だけでなく、ロジャー・アダムス賞、ウルフ賞など数々の世界的権威ある賞を受賞されています。
世界に名を知られ、日本を牽引する学術分野のトップとして長年活躍された方の講演ということで、本校の生徒、職員全員、非常に楽しみにしていました。
講演の内容は、すばらしいものでした。
野依先生自身の若い時の話から現在の若者への助言、また、科学研究というものの意義、さらに、言語(母語)の果たす役割というものへの示唆、そして、世界とどう向き合っていくかという話題の拡がりと深さは、まさしく知的好奇心を刺激されるものでした。
次に紹介する感想は本校の教員の感想です。
「私はこれまで『日本語の思考』の『枷』の側面ばかり気を取られていましたが、『日本語で思考すること』は世界と対峙した際強みとなるのだ、というお話が興味深かったです。『ギャラクシー』というカタカナ言葉よりも『銀河』という漢字で書いたものの方が確かに美しい情景が目に浮かびます。そして幼少期から日本語という枠組みの中で思考し続けて来た我々だからこそ、英語を母語とする人々の『異』となりえ、二つの世界の出逢いが新しいものを生み出す。なんと面白い考えなのだろうと感動しました。」
「知」というものは、こういう拡がりをもって聴く人に残っていくのだと思います。
生徒からの質問の時間にはどんどん手が上がり、直接質問することがかなわなかった生徒もたくさんいました。皆、野依先生と対話したい、もっと聴いてみたいという思いにかられていたのだと思います。
生徒にとって、忘れられない、一生の糧となる出会いとなったことでしょう。
ご多用な中、講演してくださった野依良治先生に心から感謝いたします。
昭和学院秀英中学校高等学校
校長代行 田中 尚子