NEWS & TOPICS

二学期始業式

2023/9/1

二学期の始業式が行われました。始業式における式辞をご紹介します。

 

2学期が始まりました。2学期は長いですし、気候も良くなり、1年で最も充実した学期になります。行事も多彩で、まず雄飛祭があります、今年からは修学旅行も11月になりました。2学期はワクワクすることが学校には一杯あります。

学校とは「学び」の場です。今日は学校における「学び」について皆さんと考えたいと思います。

皆さん、「みんな違ってみんないい」、このフレーズ、知ってますか? 金子みすずの詩の一節です。中1から髙3まで知っているでしょう。では、この一節について、自分の考えを述べてください、と言ったらどう答えますか?

中1なら「人はそれぞれ違いがあって、それを認め合うことが大切」などという答えになるでしょうか。中2は「違い」を「個性」、「認め合う」は「尊重」というぐらいの言葉に変えられるでしょう。中3になるとどうでしょうか。「多様性の尊重」というような言葉を使えるかもしれません。言葉が変わることは、考えが深まった、つまり理解のレベルが上がったことを示しています。

次に、髙1、髙2はどんなレベルになるのでしょうか。「価値観の相違と共有」、または多様性の根底にある文化の違いをどう認め合うか、そういうレベルまで考えられるのではないでしょうか。

では、高校3年生はどのレベルを求められるのか。実は、これは昨年、慶應義塾大学文学部の推薦入試に出た問題なのです。「みんな違ってみんないい」という小学生でも知っている言葉を引用し、そこに隠れている大きな問題と限界を慶応は受験生に問うたのです。

「みんな違ってみんないい」、つまり「みんな違ってみんな正しい」という主張は本当に多様な他者を認めることにつながるのか。そもそも「正しさ」を各人が勝手に決めてよいものなのか。「みんな違う」という相対主義と「正しさ」という普遍的に思える真理は両立するのか、という難しい問いです。世の中には、両立しない意見の中から、どうにかして一つに決めなければならない場合があり、「みんな違ってみんないい」というわけにはいかないのではないか、それを考えさせようとしているのです。

たぶん、これに挑戦できるのは髙3だけです。

 

これが「学び」というものです。

「みんな違ってみんないい」という同じものの見え方が「学ぶ」経験が積み重ねることで違ってくるということです。「学び」とは「身長が伸びるの」と同じだと私は思います。例えば、身長が伸びると、同じ風景でも今まで見えなかったものが見えてきます。見える視界が拡がっていきます。同じように、考えが深まると考え方に高さと広がりが出てくるのです。これが「学び」による「伸び」です。

では、考えはどうやって伸びるか、それは知識の蓄積とそれを土台として考え、自分の意見を言うことです。知識の蓄積とは国語や数学や英語だけではありません。体育も芸術も必要です。また、部活動も行事も友達との交流も、すべて「学び」になります。学校には「学び」のために必要なものが揃っています。言うなれば、学校は「学び」のデパートです。ただし、デパートの陳列を見ているだけでは「自分のもの」にならないのと同じように、与えられたものを待っているのではなく、自分から自分のものにしていく行動が大切です。そういう「学びの糧」を自分で探していくことが成長につながっていくのです。

もう一つ、学校で身につけてほしいことがあります。次にあげる3つ習慣です。

  1. 挨拶をすること(社会生活の基本です)
  2. 約束を守ること(信用という人間関係の基本です。)
  3. 人の話を聞くこと(コミュニケーションの基本です)

この3つは社会人として最も重要なことです。将来絶対役にたちます。

 

明日、本校は「THE名門校」で放映されます。楽しみにしています。

また、本校は今年40周年です。11月25日に外部で式典を行います。11月27日はノーベル化学賞を受賞された野依良治先生をお招きして講演していただきます。ノーベル賞受賞者から直接お話を聞ける機会です。今からワクワクしています。

秋にはさまざまな形容詞がつきます。読書の秋とか、芸術の秋とか、秋は素敵な季節です。

高校3年生の皆さんは夏休み、頑張ったことでしょう。その結果がすぐにでなくても、高校3年生は入試直前まで伸びます。これは本当です。だから、入試までしっかりと頑張ってください。かならず、努力の結果はでます。

2学期、より遠くが見えるような成長ができるよう、一緒に充実した学期にしていきましょう。きっと、皆さんはすばらしい成長ができるはずです。

Return to Top ▲Return to Top ▲