Shuei通信

【高1編集委員会】人生初の語り部体験

2024/12/18

「『軍艦に当たって死ぬのがかっこいい』
 これを言ったのは特攻隊の少年です。この頃はこのような考えが当たり前に流布していました」

こう教えてくれたのは語り部をしている高徳えりこさんです。

私たち高校1年生は、11月の鹿島での校外学習、また、来年の沖縄での修学旅行の事前学習として高徳さんのご講演を受けました。

皆さんは『ユキは17歳 特攻で死んだ』(毛利恒之著 ポプラ社)という本を知っていますか? この本の表紙には、特攻に行った5人の少年飛行兵が子犬を抱いている写真が載っています。なんと、この写真は特攻に出発する2時間前に撮ったものなのです。そして、この写真は高徳さんの人生に転機をもたらした写真でもあるのです。

高徳さんがこの本に出会ったのは戦後70年という節目の2015年。インターネット書籍を見ていたとき、この本に目が釘付けになったそうです。その理由は、この表紙の写真に写っている一人をみて、「あ、身内だ!」と直感したからでした。写真の右上に立っている方が高徳さんの伯父さんだったのです。伯父さんは特攻で命を落とされました。そのお姉さんは「戦争がなければ(弟は)今頃幸せな家庭を築いていたのに……特攻を思いついた人が今も憎い」と戦後から50年たったインタビューでおっしゃっていたそうです。

これらの話を聞いて、改めて戦争は悲劇の連鎖だ……と実感しました。講演の最後には、高徳さんが作った曲「レクイエム 私の伯父さん」を披露してくださいました。高徳さんが上記の本に出会ったときに自然とメロディーが浮かんできて、一つの曲になったそうです。印象的なフレーズとしんみりとした曲調が特徴的で、今でも耳に残っています。

今回は貴重なお話を聞くことができ、来年の沖縄の修学旅行を意味のあるものにできそうです。

(高校1年C組編集委員  写真は教員が撮影)

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