校長室だより

校長室だより「秀英は輝く!」第1号

2022/9/1

校長室だより「秀英は輝く!」第1号(2022年9月1日)

生徒の皆さん、保護者の皆様、私は石坂康倫(いしざかやすとも)と申します。

9月1日2学期の始業式の時には、生徒の皆さんを驚かせてしまいました。

間違いなく、保護者の皆様もさぞかし驚かれたことと思います。

既に、ご承知だと思いますが、鈴木政男先生が体調を崩し、校長職を続けることが困難となってしまい、治療に専念することになりました。私は、必ず良くなると信じていますが、暫くは治療と療養生活が続くと思います。ただ、寝たきりになるようなことはなく、見た目にはお元気そうなのでご安心ください。ただし、校長職の業務は難しくなり、急遽私がバトンタッチをすることになりました。どうぞ、宜しくお願いいたします。

私は、17年間にわたり校長をしてきました。都立中高一貫教育校の立ち上げ担当校長となり、東京都立桜修館中等教育学校の初代校長を務めました。その後、東京都立日比谷高等学校の改革に携わり26代校長として職務を遂行しました。私立学校では、学校法人東洋大学が東京都に中高一貫教育校をつくることになり、再び学校の立ち上げを担当し、東洋大学京北中学高等学校の初代校長を務めました。その後、先日まで学校法人東洋大学理事長付参与として仕事をしておりました。このタイミングで、昭和学院秀英高等学校・昭和学院秀英中学校の校長に就任することは、私にとって青天の霹靂ですが、家族とも相談した結果、快くお引き受けすることにいたしました。8月29日(月)付で本校校長の辞令をいただきました。お引き受けすると決めた以上は、これまでにも増して「輝きのある学校づくり」をしていきたいと思っています。秀英関係者の皆様のお力添えをいただきながらより一層魅力的な学校になるように頑張りたいし、何より生徒の皆さんが十分に満足できる学校生活を送り、学力を向上させ、皆さんの夢が実現できるよう、キャリヤ教育にもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。そうなるよう、教職員が一丸となって皆さんを応援していきます。また、そのために私に秀英の校長就任のお話をいただいたものと認識しています。とは言っても、多くの宿題や課題を皆さんに与えたからといって、希望の大学・学部・学科に合格し、進学できるわけではありません。一番重要なことは、生徒の皆さん自身の中から生じてくる自発性こそ合格の鍵を握っているからです。誰からも宿題や課題を与えられなくても、自らが希望の進路実現に向けて学習するかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。勿論、授業や講習等を通じて先生方は一所懸命に教科指導をします。おそらくは、これまで以上に強化してくれるのではないでしょうか。難関大学と呼ばれている大学、例えば東京大学や京都大学や一橋大学や東京工業大学のような大学は基礎力をとても大事にしている典型的な大学です。中でも、特に東京大学は最も基礎力を重視した内容の問題を出題しています。基礎力とは、建物に例えれば、土台になる部分です。その土台の上に、基本である知識や技能によって上物である建物が造られていきます。土台がしっかりとしていれば、どのような用途のデザイン画の基に如何様にも希望の建物を作ることができるのです。因みに、水道やガスの工事なども基本的な部分ということになります。ただし、基礎基本だけでは東京大学に簡単には合格できません。東京大学に合格するには、基礎基本を踏まえた上で、「根気強さと前向きさ」が必要になります。ここが、東京大学が難関だと言われる所以です。国語にしろ外国語(主に英語)にしろ、長文を根気よく読解する力、問いに対して自分の意見をしっかりと述べられる前向きさが必要となります。まさに、意欲や根気強さや粘り強さに基づいた自己表現力という自発性です。そして、恐れることなく挑戦することが大事です。東京大学には、毎年約3000人が入学しています。秀英生は明らかに優秀です。ただ、貪欲さやチャレンジ精神が不足しているために、そこまでは手が届かないと決めつけている人が多いのではないでしょうか。このことは、あくまで私の想像ですので、そうではなかったらご容赦ください。私は、秀英生の皆さんに言いたい。本気で、東京大学を目標にしてみてくださいと。例えば、秀英中学校の四谷大塚の偏差値は65です。私が立ち上げを担当した桜修館中等教育学校の一期生が受験する際に偏差値を40台に位置付けられ、私自身、大きなショックを受けたことがありました。しかしながら、6年後には卒業生151人のうち5人が東京大学に合格し、47人が早稲田大学に合格しました。このことは、第一期生から基礎の上に基本的なことを身に付けるかが大事であるということを教育実践した成果だということを物語っているということです。というのは、私は教養教育に力を入れて、論理的な思考力を身に付けることと授業に臨む姿勢と自ら学ぶという自発性を備え持つことを強調しました。勿論、私だけではなく、教員全員がそのことを共有して教育活動を行いました。その結果、学力向上以外にも挨拶や感謝の気持ちなど人間的な成長も身に付きました。学校で様々なことを学ぶことは、どれも皆関連していることがよく分かりました。

 

ここでは、あくまでも東京大学を例に出しましたが、東京大学に限らず、どの大学に進むにしても、どのような職業に就くにしても、自分の夢に向かって果敢に立ち向かっていく気持ちこそ、大事だということなのです。

学校には、さまざまな行事や部活動などもあります。普段の教科学習を中心に置きながらも、大いに中学校生活や高校生活を謳歌してほしいと思っています。強いとか弱いとかとは関係なく部活動や学校行事からは学ぶことが多いのです。自分の役割を果たすこと、自分が責任を持つこと、そのことで仲間と協力する気持ちが育ちます。そして、そのことが結果として組織目標の達成に繋がっていきます。だいたい、教科学習も本来は楽しいものです。学ぶ意欲、発見する意欲が楽しさをもたらしてくれるからです。自発性が大事であるというのは、やらされている勉強から脱して、誰から支持されなくても自分から学習する姿勢を身に付けることが、生徒の皆さんの未来を切り拓いていくことになるからです。その気持ちがあると、授業や講習に参加する姿勢が大きく変わるので、当然のごとく学力は向上します。生徒の皆さん、私の思いが伝わったでしょうか。少しでも、皆さんの心に伝わったならば、とても嬉しいです。これから、月に一度はエッセイ風な校長だよりを書いていきます。楽しみに読んでみてください。その校長室だより名は「秀英は輝く!」にしました。

生徒の皆さん、保護者の皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。

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