中学校体育祭を終えて
13日(土)に予定通り始まった中学校体育祭は雨で途中止し延期となり、本日(18日)午後に残りのプログラムを実施。夏日という熱い中、熱い中学校体育祭は終了しました。
「百花繚乱~熱き炎となれ~」
今年の中学校体育祭のスローガンです。スローガンから今年の中学校体育祭は違っていました。今年は「生徒が決め、生徒が動かす体育祭」という方向で進められました。生徒達は「百花繚乱」というスローガンに「一人一人が自分・限界を超えられるように熱い想いで取り組み、輝けるようにする」という想いを込めて決め、実行委員を中心に全員一丸となって、自分たちの体育祭を創り上げました。
実は、私は今年の体育祭にあたり、少し不安がありました。次の3点です。
1点目は時期です。校外学習との日程の関係で、今年は中学校体育祭が5月に早まったのです。そのため、生徒達は昨年度から準備を始めました。
2点目はコロナ感染拡大による中断です。本校の体育祭は以前、中高合同で実施していました。しかし、中学校独自の行事にすることで中学生の主体性を育成できるという視点から4年前に中学校体育祭と高校スポーツ大会に分けました。ただし、その後、コロナの感染拡大で3年前は中止、2年前は学年別・生徒のみの短時間で実施、昨年は保護者公開で午前中実施、という形になっていました。つまり、現在の中学生は完全な形の中学校体育祭の経験がないということです。
3点目は今年の方針です。「生徒の主体の体育祭」という方向性を打ち出しました。もちろん、今までも生徒の体育委員会を中心に、生徒の意向を十分反映させ、生徒を動かして体育祭を実施していました。それを今年は「生徒が動かす」という方針に変えました。
開会式が始まった瞬間から、私の不安は杞憂であったことを理解しました。
各応援団長の開会宣言から始まった開会式、生徒代表挨拶、選手宣誓等、立派でした。さすが、本校の中学最高学年の生徒達だと改めて感じました。応援パフォーマンスはどの色も工夫と熱気が伝わってきました。競技についても、よく準備されていて、なにより生徒達が自分の役割を自覚し動いていました。最後は騎馬戦、クラス対抗リレーと、今年の体育祭を締め括るにふさわしいパフォーマンスを見せてもらいました。
本当に「百花繚乱」の体育祭となりました。それぞれの生徒が、体育祭の成功のために全体の中で自分がどう動くべきかを考え、役割を果たしていった結果だと想います。
体育祭を計画し、準備し、実施するという過程で、多くのことを学んだことでしょう。「皆で協力すること」と「各自が自覚すること」を生徒達は体得できたと考えます。「協調性」と「自主性」です。自主性は協調性とセットで身につくものです。そこが「自主性」と「身勝手」の違いです。
今回、体育祭を成功に終わらせたことで、それぞれの生徒の中に協調性と自主性が育ったことと思います。この経験は来年度活かされるでしょう。また、今回、先生方はできるだけ見守る形をとりましたが、実は表にはでない形で生徒達の「力」を伸ばすことに取り組んできました。生徒のみなさんは先生方のこの間の指導を他のことにも応用していってほしいと思っています。
さらに、保護者の皆様にはお忙しい中来校していただきありがとうございました。13日は途中で雨がひどくなり、濡れた方も多いのではないかと思います。ただし、土曜日に少しでも開催できたことで、生徒の生き生きと動く姿を多くの保護者の方々にお見せするこができましたことは有り難いことだったと思っております。
最後に中学校体育祭を見ていて思い出したことがあります。
それは、今年の卒業生と話した時のことです。東大と千葉大学に合格した生徒が私のところに挨拶に来てくれました。その時、二人に「ここまで頑張れたのはなぜだと思う?」と聞くと、二人は声を揃えて「皆で頑張ったから。皆がきたから」と答えてくれました。
これが秀英の「力」だと感じました。今回、体育祭を成功に導いた「皆で頑張った経験」は生徒の中にしっかりと育ってくれるでしょう。そして、社会に出る時の大きな力になってくれるはずです。
この経験を活かして、これから、この秀英で「百花繚乱」…さまざまな花を咲かせてほしいと願っています。
昭和学院秀英高等学校 副校長 田中尚子