入学式
入学式が行われました。昨年に続いて、感染症対策も踏まえて、中学と高校とで時間帯を分けて行いました。ここでは、中学校入学式の式辞をそのままご紹介します。
今年は春の花々がまるで我先にと競うように咲きほこり、若い力があふれいきいきと活動する季節の到来をしっかりと感じとることができました。
この春の佳き日に、奨学会会長をはじめ、ご来賓の皆様方、ならびに新入生の保護者の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に入学式を挙行できますことは、本校関係者一同、大きな喜びでございます。ご臨席を賜りました皆様に、厚くお礼申し上げます。
178名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して皆さんの入学を心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様におかれましては、お子様の晴の姿をご覧になられ喜びもひとしおのことと拝察いたします。心よりお祝い申し上げます。
昭和学院秀英中学校高等学校は昨年40周年を迎えました。「明朗謙虚」「勤勉向上」を校訓とし、深い人間性と豊かな能力を育む教育の充実に日々努めています。
さて、皆さんは今、期待と緊張と少しばかり不安な気持ちを抱いていらっしゃることと思います。大丈夫です。これからの秀英の6年間で皆さんは目覚ましい成長を遂げられることと思います。
では、中学高校の6年間はどういう成長を遂げる時期かといいますと、私は「子供から大人」に成長する時期だと考えます。当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、「子供」から「大人」になるとはどういうことかということを少し話させていただきます。
大人とは「可能」、英語で言いますと「できる」という意味の「CAN」が使えることだと考えます。
「自分はこうしたい」という「願望」は、それだけだと「個人的なことがら」です。例えば「私は英会話を勉強したい」と誰かが一人で言ったとしても、それは不自然でもなんでもない。「願望」の文というのは個人で完結するものなのです。
それに対して、「私は英会話ができる」と一人で部屋の中で言ったとします。この文はこれだけでは成り立ちません。それが集団や社会の中で必要とされるという前提があって初めて成り立つ文です。「可能」の文というのは、そういう社会的関係性が前提として必要で、「個人的」は視点だけでは成り立たない内容なのです。
「大人に成長する」とは集団や社会の中で「私ができます」と言える人になるということです。他者を尊重し、社会における役割を担える人が大人と呼べるのだとわたくしは考えます。
友達の手助けになれることがあったら「私ができるよ」と声を上げてください。授業で困っている友達がいたら「僕が教えるよ」と一緒に勉強してください。
秀英にはさまざまなことに挑戦できる環境があります。共に学び合える仲間がいます。皆さんを支えてくれる先生方がいます。この秀英で学ぶ6年間で、皆さんは、将来社会を担っていくにふさわしい素質を身につけていってくれるに違いないと思っています。
今年の卒業生も素晴らしい実績を残してくれました。これは秀英の40年の日々の努力の積み重ねです。先輩達が築いてきた秀英の歴史をここにいる皆さんがさらに飛躍させてくれることと思っています。
最後になりましたが、保護者の皆様に対しまして、重ねてご入学のお慶びを申し上げます。お子様をここまで立派に育てられましたことに対し、心より敬意を表します。その大切なお子様を本日お預かりいたしました。
私たちは、本校の教育に誇りをもって全力で取り組んでおります。本日ここに集った生徒たちを、心身ともに充実した大人へと成長させることをお約束いたします。何卒、本校へのご支援ご協力を、よろしくお願いいたします。
それでは、本日入学した生徒の皆さんが、本校に入学して本当によかったと思えることを心から願い、私の式辞といたします。